玉串料・初穂料の包み方

神社で祈願・祈祷して頂いたり、御神前へのお供えとして納めるお金を 「玉串料(たまぐしりょう)」 とか 「初穂料(はつほりょう)」 と言います。

玉串というのは正式参拝なので神前に供える榊のことで、「玉串料」とは御神前にお参りさせていただくお供えのお金という意味になります。
初穂というのは最初に収穫した稲穂の意味で、まず収穫の感謝の印として初穂を御神前にお供えしました。「初穂料」とは、その初穂の代わりとして納めるお金という意味です。

さて、気になるのは 「玉串料」「初穂料」 として一体いくらぐらい包んだらよいのかということでしょう。
お供えの金額というのは、本来は決まっていないものです。
願主の神様に対する気持ちを包むものですから、多くの神社では 「お気持ちで」 「お志(こころざし)で」 といわれるのです。
結婚式などの祝賀会の 「ご祝儀」 も、それぞれの付き合いや立場の違いで金額が異なりますよね。
と云っても埒があかないので、大まかに目安を記しておきます。

祈願・祈祷をお願いする場合は5,000円以上包むのが良いでしょう。神社や祈願の種類によっては10,000円以上という場合もあるようですので、詳しくはそれぞれの神社にお問い合わせいただくのが良いと思います。
日頃の感謝の気持ちとしてお供えする場合は特段決まりはないと思いますので、随意で包めばよいと思います。
地鎮祭などの出張祭については、お願いする神社に問い合わせるのが良いと思います。
ご参考まで。

お供えを包む袋ですが、一般に市販されている熨斗袋で結構です。
水引は 「花結び・蝶結び」 と 「結びきり・固結び」 の2種類がありますが、祈願によって使用するものが異なりますから注意してください。
水引の色は紅白です。
時々白黒や黄白の水引のものに包んでこられる方がいますが、これは葬儀に用いられるものです。
黄白は関西地区で、50日祭(仏事では49日法要)以降の霊前(仏前)へのお供えとして用いられます。



【花結び・蝶結び】
花結び結び目を簡単に解くことができるので、繰り返してよい祝い事に用いられます。
具体的には結婚式以外の祝い事、安産・初宮・七五三など。
また、家内安全や商売繁昌などの一般祈願に用います。


【結びきり・固結び】
結びきり結び目が固く解けないことから、1度きりを願う祈願に用います。
祝い事では結婚式、他には厄除けや病気平癒祈願に用います。
また、鮑結び(あわびむすび:あわじむすびとも)という結び方のものを用いることもあります。

表書きは、上段に 「玉串料」「初穂料」「お供え」 などと記し、下段に氏名を記します。

神社でご祈願を行う際に、お財布から現金を出してそのまま渡される方が時々いらっしゃいますが、祈願料・祈祷料は本来 「代金」 ではなく、あくまでも 神様へのお供え ですから、きちっと包んで渡すのが作法かと思います。  

Posted by 木霊 at 10:00Comments(0)神社での作法

お参りの作法

お参りの作法についてもいろんな本などに載っていますから今更説明するまでもないのかもしれませんが、意外と「知っていますか?」と尋ねると手をあげる方が少ない・・・。
ということで、改めて記しておきます。

一般に神社での拝礼作法は 2礼2拍手1礼 という言い方をするかと思いますが、正確には 2拝2拍手1拝 もしくは 再拝2拍手1拝 と言います。言い方はともかく、2度頭を下げて2回手を叩いてもう1度頭を下げるということです。

なぜ、礼(れい)ではなく拝(はい)という表現にこだわったかというと、神職の作法では頭を下げる角度によって呼び方が異なるからです。
細かい説明は省きますが(その内やると思います)拝というのは90度頭を下げる作法です。
もっとも敬意を表した形になるのです。
2礼と言うと軽く頭を下げても良いことになりますので、わざわざ2拝という表現をします。再拝というのは2拝と同じ意味です。

ところでよく聞かれるのは一体お願いはどこですればよいのかということです。またお賽銭はいつ納めるのが良いのかも時々聞かれます。
絶対にこうしなくてはならないという決まりはありませんので、私が普段するお参りの作法を記しておきます。

まず、御神前につきましたら、軽く頭を下げます。小揖(しょうゆう)と呼ばれる作法で大体15度くらい頭を下げます。
そしてお賽銭を納めます。お賽銭の金額には決まりはありません。自分の気持ちで金額を決めればよいのです。
ちなみに5円を入れる方が良いというのはただのゴロ合わせです。(その内お賽銭についても説明します)
そして先ほど記した2拝2拍手1拝の作法でお参りをします。ちなみに2拍手の時は一旦手を合わせて、右手を少し引いてから手を打ちます。
1拝が済んだのち、軽く頭を下げて自分の氏名などを心の中で述べて神様に参拝に来たことをお伝えします。

私の場合は大体上記の手順でお参りをしているので参考にしてください。


さて、参拝の際になるべく中央でお参りしたいと、最近どこの神社でも細長く列になって順番を待つ光景を見かけます。
神社の拝殿はなるべく多くの方が一斉にお参りできるように広くとっていますから、本来は横に広がってお参りして構いません。
しかしできるだけ中央でお参りしたいという心情は分かりますので、その場合はお待ちになればよいと思います。しかし、そうでない方が中央で参拝する人達の列に並ばずに横に行ってさっさと参拝したからと言って非難するようなことをしてはいけません。  

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参道の歩き方

神社の参道を歩くときの注意事項としてよく言われるのが
道の真ん中は神様の通り道だから遠慮して両端を歩く
ですね。そして鳥居をくぐるときは一礼するというのも良く言われます。
勿論両方とも誤りではありません。でももう少し知っておいてほしいことがあります。

鳥居をくぐると神域に入ります。そこから神様の土地ということです。神域に入ったらあまり大声で話したりはしゃいだりせずに歩きましょう。
私は神域に入ったら極力参拝が済むまでは私語を慎むようにしています。

ところで参道の真ん中は「正中(せいちゅう)」と呼ぶのですが、祭典などで神職が正中を通って参進していると ”神様の通り道なのに・・・” と思われる方がいるようです。
神職も普段は正中を歩くことをしませんが装束をつけて祭典奉仕などを行う時は正中を進みます。この時は公式に神様の元に行くので正中を通ることを許されるのです。

神域内でみだりに写真を撮るのも慎んだ方が良いと思います。
最近のパワースポットブームなどで境内でなんでも写真におさめる人がいますがあまり感心しません。
もともと神社という場所は心穏やかに参拝をする場所です。そのことを忘れずにいればあまり失礼なことをする心配はないと思うのですがいかがでしょう?  

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手水の取り方

神社の入り口には手水舎(てみずしゃ)と呼ばれる建物があります。
入り口と言っても厳密に入り口という意味ではなく、拝殿よりも手前という意味ですが・・・。

手水舎では手と口を清めます。
このことはいろいろなモノに記されているので知っている人も多いと思います。
いや、それ以前に 「そんなの常識だよ」 という方も多くいらっしゃるかもしれませんね。

しかし実際に手水の作法を拝見していると案外皆さんちゃんとしたことをご存じないみたいです。
神社によっては手水の作法を記しているところもあります。

1、柄杓に水を汲み左手を清めます
2、柄杓を持ちかえて右手を清めます
3、左手に水を受けて口を清めます
4、もう一度左手を清めます
5、柄杓を立てて柄を洗い元に戻します

手水の作法1手水の作法2

概ね上記の手順で間違いありませんし、分かりやすく上のように図解をしてくれている神社もあります。

大抵の本にもこのように書かれているのですが、なかなか難しく考えるのか上手にできない方がしばしばいらっしゃいます。
この図でも×印がされていますが柄杓に口をつけて清める方もしばしばいらっしゃいます。
皆が使うものですから口をつけないのがマナーです。
そして多くのモノに書かれていないのですが、実は手水は最初に1回柄杓に組んだ水で全てを終わらせます。
作法通りに手水をとろうと意識し過ぎるあまり、左手を清めては水を汲み、右手を清めては水を汲みという方を多く見かけます。
水の神様の恩恵に感謝するということか、限りある資源を大切に使って身を清めようという意味からか、とにかく1回汲んだ水で先に記した1~5の作法を行うのが正しい手順と言えます。

神社で手水をとるのは神様の前に行くのに身を清めるという意味です。
本来であれば全身を清水で清めるべきではありますが、手と口を清めることで全身を清めたことにしています。
ですから手水の後でお手洗いに行かれたり、飲食を行うのは折角清めたのを無にしてしまう行いです。
ちなみにお手洗いに行かれた後手を洗うのと、手水を行うのは同じように手を清めますが意味が全く異なります。
ですからお手洗いの後は、再び改めて手水を行う必要があります。

時々目にするのが、
参拝が終わって帰りに手水を行う人。
子供がのどが渇いたというので手水の水を飲ませる人。
水遊びをする人。
手水鉢にお金を入れる人。
連れてきた動物に水を飲ませる人。それも柄杓から直接。
いずれも正しい行いではありません。

  

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